人類の「三大欲求」と言えば「睡眠欲」、「食欲」、「性欲」の3つ。
その中の「食」について考えてみよう。
日本の食用昆虫の扱い
サイトでは、昆虫食を奨励する記事が増え、昆虫の粉末を使った食品が販売されるようになってきた現在、日本政府は昆虫をどのように思っているのだろうか。
国会議員は、国会開会中、議長を経由して内閣に対し文書で質問することができます。この文書を「質問主意書」と言います。(by 参議院 国会キーワード)
第211回国会(通常)参議院、質問主意書提出番号40番
で昆虫食について質問が上がっていたのでここで見てみようと思う。
〈参議院質問主意書〉
一について
問;我が国は、政府が「異次元の少子化対策」を掲げなければならないほど人口減少の危機にある。一方で世界の人口爆発を要因とするたんぱく質不足が叫ばれてきたが、これが人口減の坂を下り始めた我が国についてどのような影響が考えられるのか、またその根拠としてどのようなデータを基に分析されているのか政府は具体的に示されたい。
答;ご指摘の「世界の人口爆発を要因とするたんぱく質不足」が我が国に与える影響については、特段の分析を行っていない。
あくまでも素人考えで感想を言うと、質問の必要性が解らない。世界の人口急増によるたんぱく質不足と、日本の人口減少にどの様な影響について政府は分析しているか。人口減少の文句が必要ないのかな。(FAO)の2013年レポートに絡めてたんぱく質の確保について質問した方が良かったのでは、ないいかな。
二について
問;近年、日本人の食生活が欧米化したと言われるが、それでも長年の食生活の中で培ってきた日本人の体質と欧米人の体質は同じではない。同じ病気でも国や人種によって発症率や原因、症状などに違いが生じることからも分かるとおり、体内環境は人種によって異なる。日本人の体質に合った食生活の構築を目指すべきところ、政府は、昆虫食が日本人の身体に与える影響について、いかなる分析を行い評価をしているのか、具体的に示されたい。
答;御指摘の「日本人の体質に合った食生活の構築」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国において食用の昆虫の摂取によって健康に対する影響が生じたという具体的な事例は承知していない。他方、厚生労働省においては、「「昆虫食」における大規模生産等産業化に伴う安全性確保のための研究」を令和五年度の厚生労働科学研究費補助事業の公募課題としており、また、農林水産省においては、食用の昆虫に含まれる有害物質の情報収集及び当該有害物質の管理手法に関する研究事業を実施するため、令和五年度予算において、必要な経費を計上している。
これらの研究結果も参考にしつつ、厚生労働省及び農林水産省において、食用の昆虫の摂取による健康に対する影響について情報の収集、整理等を行い、必要に応じて、食品安全委員において、食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第十一条第一項に規定する食品健康影響評価を実施してまいりたい。
日本政府は食用の昆虫に対して、健康被害はないと認識している。
食用昆虫の量産による安全性確保の研究に平成5年から補助をする。
その研究を通じて昆虫食による健康に対する影響を評価する。
今回の研究は、飼育中の昆虫が汚染されないようするのと。
そこから昆虫の食品としての安全性は確認できるのでしょうか。
三について
問;前文で指摘したように、農水省の主導で昆虫食や昆虫飼料、代替肉の研究開発が進められていることについて、多くの国民は知らないままである。歴史上、日本人がこれまで口にしてこなかったコオロギなどの昆虫を食事として、また飼料として用いることには、強い抵抗が生じると予想される。老若、そして子供を含む国民が口に入れる食料に否応なしに昆虫由来食品が含まれる可能性について、現在の研究到達度を踏まえながら十分な周知と議論が必要である。政府は、この点についてどのような対応を考えているのか。
答;御指摘の「昆虫由来食品」及び「現在の研究到達度」の意味するところが必ずしも明らかではないが、農林水産省が立ち上げた「フードテック官民協議会」による「フードテック推進ビジョン」及び「ロードマップ」(令和五年二月二十一日)については、パブリックコメントを実施し、広く国民から意見を募集した上で策定したものであり、御指摘の「十分な周知と議論」をしてきたものと考えている。引き続き、国民の声を丁寧に聞き、政策に反映させてまいる所存である。
代替肉の研究・開発推進しているとおまったけど、昆虫食・昆虫飼料の研究開発の推進はしていないんじゃないかな。行っているのは、食用昆虫・飼料用昆虫の汚染されない飼育の研究だと思った。また調べてみよう。
「フードテック推進ビジョン」・「ロードマップ」は確認項目になりそうです。
四について
問;前文の中で例示した徳島県での学校給食のように、粉末コオロギの使用が一部で開始されているが、現在、市販食品として流通している昆虫食品、食材の種類、量、食品安全上のチェックなどについて、政府が把握している内容を示されたい。
答;お尋ねの「市販食品として流通している昆虫食品、食材の種類、量」については、網羅的には把握していないが、例えば、昆虫を使用した煮物や菓子類が販売されていると承知している。また、お尋ねの「食品安全上のチェックなど」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、人の健康を損なうおそれのある食品又は添加物については、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第六条の規定によりその販売等が禁止されており、当該規定の厳守状況については、一義的には、食品又は添加物を販売し、又は販売の用に共するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列する者が確認する責務を負う。また、国にあっては同法第二十三条第一項の規定に基づく輸入食品監視指導計画に基づき、適切に輸入品等の監視指導を行っており、都道府県、保健所を設置する市及び特別区にあっては同法第二十四条第一項の規定に基づく都道府県等食品衛生監視指導計画に基づき、適切に監視指導を行っているものと承知している。この枠組みは、御指摘の「市販食品として流通してりる昆虫食品、食材」についても適用される。
食品衛生法第6条の規定に引っかからない限り、食品として扱う。それが政府の見解です。つまり、コオロギもリンゴも同様に扱う。と言う事です。当然と言えば、当然。
五について
問;日本人が昔から口にしてきた伝統的食材の中には、イワシを始めとした魚や大豆などのように豊富にたんぱく源を含むものが多くある。「食用昆虫」の大量生産システムを構築したり、「昆虫の家畜化」をしたりするよりも前に、日本人が昔から食べてきた食べ物について生産強化のほか、毎年七十万トンが廃棄されているとされるおからの有効活用、非標準野菜などの流通の見直し、フードロス解消など、優先して行うべき課題があると思われる。こうした取組の推進について、政府はどう考えているのか、具体的に示されたい。
答;御指摘の「日本人が昔から食べてきた食べ物」および「優先して行うべき課題」の指すところが明らかではないが、御指摘の「おからの有効活用」については、おからは主に飼料及び肥料の原料として利用されていると承知しており、また、政府としては、生産者団体等が定める規格に適合しないことを理由とする野菜の廃棄を削減することにも資するよう、こうした野菜の産地における加工施設の整備等への支援を行っているところであり、さらに、食品ロスの削減については、「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」(令和二年三月三十一日閣議決定)において、「商慣習見直しとしては、食品製造業者と、食品御売・小売業者の連携の下、賞味期限表示の大括り化(年月表示・日まとめ表示)、賞味期限の延長、厳しい納品期限の緩和(取組企業や実施品目の拡大)を一体的に促進する」としていること等を踏まえ、引き続き、更なる食品ロスの削減に向けて取り組んでまいりたい。
六について
問;コオロギを原料として食材に含める際、食品表示法上、どのように表示されるか。「コオロギ」以外の表記が使用されるか。また、原料として含まれていても、表記がされない場合があるか。
答;食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第四条第一項の規定によりさだめられた食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)第三条第一項の表の原材料名の項の1の一において、「使用した原材料」を「原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する」こととされており、御指摘の「コオロギ」が原材料として含まれる場合には、その一般的な名称を表示することが必要である。
また、同項の1の二の「二種類以上の原材料からなる原材料(以下「複合原材料」という。)を使用する場合」については、同項の1の二のイにおいて、「複合原材料の名称の次に括弧をつけて、当該複合原材料の原材料を当該複合現材料の原材料が三種類以上ある場合にあっては、当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高い順が三位以下であって、かつ、当該割合が五パーセント未満である原材料について、「その他」と表示することができる。」こととされ、また、同項の1の二のロにおいて、「複合原材料の製品の原材料に占める重量の割合が五パーセント未満である場合又は複合原材料の名称からその原材料が明らかである場合には、当該複合原材料の原材料の表示を省略することがでしる。」こととされており、御指摘の「コオロギ」が複合残材料の原材料として使用される場合には、その一般的な名称が表示されないこともあり得る。
例えば、次の材料でハンバーグを作り販売した。材料表示はどうなるのだろうか。
牛肉10%・豚肉5%・鶏肉5%・コオロギ4%・ミルワーム4%・ミミズ4%・イナゴ4%・ハチ4%・たがめ4%・カミキリムシ4%・コガネムシ4%・セミ4%・トビケラの幼虫4%
「未来を見すえた金額的高級牛肉ハンバーグ」原材料;複合原材料(牛肉・豚肉・鶏肉・その他)になるのかな。
今回はここまで。