人類の「三大欲求」と言えば「睡眠欲」、「食欲」、「性欲」の3つ。
その中の「食」について考えてみよう。
FAOは昆虫食を奨励している?
前回に続き、昆虫食の話。
食糧難対策で推奨の昆虫食、SNSになぜ蔓延「陰謀論」
産経WEST 2023/3/18 19:09配信
アジアやアフリカ、南米などで食文化の一つとして定着している「昆虫食」が改めて注目されたのは2013年。
国連の食糧農業機関(FAO)が人口増加や食糧不足対策として推奨する報告書を公表したのがきっかけだ。家畜に比べ、昆虫は少量のエサで養殖でき、環境への負荷が低い。
これは3月18日付けの産経新聞の昆虫食を扱った記事の一部。
記事の内容は昆虫食がネットで陰謀論ともとれる投稿で叩かれている。と言う物。
実際出鱈目な事柄で昆虫食は非難されているらしい。良くないよね。
まあ、それはそうと、昆虫食を国連の食糧農業機関(FAO)が推奨しているか調べてみた。
なんでそんな事思ったか。
それは、昆虫食を扱う記事のに大体(FAO)が推奨していると書かれていたりするからだ。
国連の食糧農業機関(FAO)とは
国際連合食糧農業機関は、飢餓の撲滅を世界の食糧生産と分配の改善と生活向上を通して達成するのを目的とする、国際連合の専門機関の一つである。
国連食糧農業機関ともいう。(by wiki)
国連食糧農業機関は、国連システムの中にあって食料の安全保障と栄養、作物や家畜、漁業と水産養殖を含む農業、農村開発を進める先導機関である。(by 国連広報センター)
食糧農業機関の目的は、以下の施策を通じた世界経済の発展及び人類の飢餓からの解放
(ア)世界各国国民の栄養水準及び生活水準の向上
(イ)食料及び農産物の生産及び流通の改善
(ウ)農村住民の生活条件の改善
(by 外務省)
私がまとめると、(FAO)とは、
「人類が必要とする食糧、その生産物と生産者について考える機関」
「昆虫食」が注目された2013年の報告書とは。
内閣府 食品安全委員会が報告していた。 これがその資料
国際連合食糧農業機関(FAO)、食品及び飼料における昆虫類の役割に注目した報告書を公表
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03830870295
〈直接確認したい方は、こちらから。内閣府 食品安全委員会〉
資料日付 2013年5月13日
概要(記事)
国際連合食糧農業機関(FAO)は5月13日、食品及び飼料における昆虫類の役割に注目する報告書(全201ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
FAOがオランダのヴァーヘニンゲン大学と共同で行った調査研究によると、全世界で、ヒトは1,990種類を超える昆虫類を食している。
消費量が多いのは、甲虫類(31%)、ケムシ(18%)、ミツバチなどのハチ及びアリ(14%)、イナゴなど(13%)である。昆虫類の多くはたん白質及び良質の脂肪を多く含み、カルシウム、鉄分及び亜鉛の量が豊富である。
鉄分含有量は、牛肉では乾燥重量100g当たり6mgであるのに対し、イナゴ類では乾燥重量100g当たり8~20mgである。
当該論文「食用昆虫類:未来の食糧と飼料への展望」の共同執筆者でもあるFAOの森林経済政策部門のトップは、「昆虫類は森林がもたらす資源のひとつだが、食品として、特に飼料としての可能性は、まだ開発されていない部分が多い。」と語った。
昆虫の飼育が産業化されれば、フィッシュミールの代わりに昆虫ミールを家畜用飼料に使用することにより、いずれコストの低減が可能となるであろう。また、ヒトの消費に回る魚の供給量が増加するメリットも考えられる。
ほとんどの先進国では、法律でスラリー又は残飯などを実際に動物に給餌することは禁止されているが、昆虫類を飼育するとすれば、通常その餌の材料には、禁止されているこれらが使われると考えれる。特に廃水で昆虫を飼育する場合は、さらなる調査研究が必要となるであろう。しかし、昆虫類はほ乳類と生物学的に大きく異なることは科学者が広く理解するところであり、昆虫類の疾病がヒトに伝播するとは非常に考えにくい。
法律も、ヒトが消費する食品への昆虫類の使用を禁じている場合が多い。しかし途上国において新開発食品を販売する店及び新開発食品を出すレストランが増加していることから、ヒトが消費する食品への昆虫の使用は大幅に容認されているようである。
他の種類の食品と同様、ヒトの健康に影響を及ぼす可能性がある細菌及び他の微生物の増殖を抑えるため、生産、加工及び準備が衛生的に行われるべきである。食品安全基準を昆虫類及び昆虫類由来の製品へ拡大適用することも可能である。また、当該食品及び飼料に対する消費者の信頼を得るためには、生産チェーンに沿った品質管理基準が重要な鍵となる。
当該論文の目次は以下のとおり。
以下省略
当該論文は以下のURLから入手可能。
http://www.fao.org/docrep/018/i3253e/i3253e.pdf
自分なりの(FAO)報告まとめ
昆虫は食品、飼料として開発されていない部分が多い。破棄されるだろう残飯を餌にして昆虫の飼育が増えれば、フィッシュミールの代わりに昆虫ミールを家畜用飼料に使用できるだろう。
食品安全基準を昆虫類及び昆虫類由来の製品へ拡大適用することも可能であろう。
食品安全基準について
神奈川県の資料が解りやすい
日本の食品の安全基準
食品衛生法に基づき「食品、添加物等の規格基準」が定められています。
この「食品、添加物等の規格基準」は様々な食品の成分の規格や製造、保存などの基準を定めています。
また、食品添加物についても、どの食品にどのくらい使用してよいのか定めています。
日本国内では、この規格基準にあっていない食品は流通できません。
食品の安全基準の国際的な流れ
世界保健機関(WHO)と国際連合食糧農業機関(FAO)はコーデックス委員会という組織を作りました。
コーデックス委員会は、日本を含む 180 以上の国と地域が加盟しており、消費者の健康を保護するとともに、食品の公正な貿易を促進するため、国際基準を作っています。
各国は、自国の食品安全基準がこの国際基準に調和するよう取り組んでいるところです。
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/14694/703385.pdf
日本では、食品衛生法、食品安全基本法によって食品の安全基準を決めているとのことです。
(FAO)レポートのは、内閣府 食品安全委員会の概要を見る限り、昆虫食を取り上げているサイトで言うところの昆虫を食べようでは無く、昆虫を食べるなら食品安全基準をしっかり適用させよう。と言っているように読めます。
また、破棄されるであろう残飯の再利用について力説しているように感じます。
ああ、レポート英語で200ページ、私には無理。誰か日本語に翻訳してアップしてくれないかな。
昆虫食を語るには読んでおきたいよね。
今回はここまで。